【僧帽弁閉鎖不全症】茨木市のゆうり動物病院
2023/10/26
【僧帽弁閉鎖不全症です】
愛犬がこの診断を受けたことがある方は多いのではないでしょうか?
シニアのわんちゃんによく見られる心臓の病気ですが、病気自体や治療法についてよくわからないまま通院されている方も少なくありません。
今回はその僧帽弁閉鎖不全症について詳しくお話しします。
心臓には左心房と左心室という2つの部屋があります。この2つの部屋を隔てるのが僧帽弁という逆流防止弁です。
この逆流防止弁が機能しなくなり閉じが悪くなる病気が僧帽弁閉鎖不全症です。
弁の閉じが悪くなることで、本来は肺から左心房(→僧帽弁)→左心室→全身という流れのうちの、左心室から左心房へ血液が逆流しやすくなります。
逆流する血液が増えると左心房は膨らんでしまい、左心房拡大の状態になります。これがレントゲンで「心臓が大きいです」と言われる理由です。
そしてその大きくなった心臓が周囲の気管を押したりすることで咳がでると言われています。(ただし、ここには気管虚脱や気管支虚脱など呼吸器疾患も関与してくると言われています)
さらに血液は逆流し続け、もう広がるスペースは左心房にはないです。どうなるでしょうか?
左心房破裂や肺水腫(左心房の一つ前の臓器である肺に血液が貯まる)になってしまいます。
肺水腫は肺の毛細血管に血液が貯まり、容量を超えてしまうと水分だけが肺の中に漏れ出てきます。肺の中に水分が貯まっている状態ですのでまるで溺れているのかのような状態になります。
その結果呼吸不全で一夜にして命を落とすこともあります。
この肺水腫は明らかに苦しい状態であり、治療にはお薬や酸素が必要です。しかし、何よりも重要なのは発症を防ぐことです。
そのために、僧帽弁閉鎖不全症と診断されたら渡されるお薬をしっかりと服用することが必要です。(ただし、具体的な種類や服用の必要性はステージによって異なります。)
ですので、お薬の服用を忘れないように注意してください。
注意点としてお薬を飲めば治るわけではないですし、服用すれば必ずしも肺水腫を回避できるわけではありません。
お薬の目的は肺水腫の発症を遅らせることです。
発症を遅らせることで、苦しむ最期を迎えるのではなく天命を全うすることができるかもしれません。
また、肺水腫になったからといって救命できないわけではありませんが、確実に肺にダメージはでてしまいます。ですので、症状が現れてから治療すればいいやという選択は望ましくありません。
また、「お薬に頼らずに自然に対処したい」という声もよく聞きます。お薬の副作用で苦しんでいる場合は分かりますが、副作用もでずに服用できるのであればお薬は確実に寿命を延ばし、飼い主さんとの楽しい時間をもたらしてくれるお薬です。
お薬を使用することは自然ではないと考えずに、一つの手段としてご検討いただければ、と個人的には思います。
また僧帽弁閉鎖不全症を早期に診断するためにも7歳以上になったら半年に一回の健康診断、7歳未満は一年に一回の健康診断を欠かさないであげてくださいね。
当院では心臓病がないか心臓超音波検査もみるおすすめのコースなどご用意しています。そういえばまだ健康診断していないな、という方はぜひ茨木のゆうり動物病院にご予約くださいね。
次回以降お薬や僧帽弁閉鎖不全症の手術などについて詳しく書けたらと思います。
----------------------------------------------------------------------
ゆうり動物病院
院長 樋口裕梨
〒
567-0806
大阪府茨木市庄2-26-14-102
電話番号 :
072-648-7823
丁寧な健康診断を茨木市で実施
茨木市で循環器のケアに精通
----------------------------------------------------------------------