水はたくさん飲んでいれば安心!?多飲多尿という症状を知っていますか?
2023/12/04
獣医師: お水は飲みますか?
飼い主: たくさん飲んでいるので大丈夫です
獣医師: お水を飲みすぎるのも病気のサインなんですよ
飼い主: え!?
診察室でこういったやりとりをすることが多いです。
実はみなさんお水を飲まない場合には脱水しないかなと気にされる方も少なくないのですが、たくさん飲んでいる場合には良いことだと勘違いしてしまっている方が大半です。
お水を飲む量が一日で、犬で100mL/kg、猫で50mL/kg近く飲んでいる場合には多飲という症状に分類されます。もちろん水を飲む分、尿の量も増えます。
多くが重大な怖い病気のサインなので一度お水を飲む量をぜひ測ってみてください。(精神性の場合もあります)
たとえば糖尿病や慢性腎臓病、子宮蓄膿症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)・高Ca血症など様々な病気の可能性がでてきます。
多くは院内での血液検査やエコー検査、尿検査で診断がつきますので、そういえば若いころより水をよく飲んでいるなと思うシニアの犬ちゃん猫ちゃんたちは病院に連れてきてあげてください。
早期発見が命を救い、寿命を延ばすことができます。逆にペットはしゃべることができないので食欲がなくなるほどの症状で気づいたころにはすでに遅い、といったことも多々あります。
たとえば僕の好きな分野でいうと慢性腎臓病ですが、いざ慢性腎臓病と分かれば水を飲みすぎるのがだめなら制限します。と言われる方もいらっしゃるのですが、そうではありません。脱水しないように水を飲まざるをえないだけですので水を飲む量を制限してしまうと余計に悪化してしまいます。むしろ飲む量を増やすようにちゅーるを水に溶かしたり、ハイドラケアという味付きの水のサプリを飲んでいただいたりします。
水を飲みすぎていることに気づけないのが良くないのであって、水自体は飲んでいいということですね。
なので今回のお話を読んで水を制限する、なんてことはしないでくださいね!
私は日本獣医腎泌尿器学会の認定医なので慢性腎臓病をよく見ますが、多飲=慢性腎臓病という短絡的な診察はせず、しっかり検査をして診断を付けて治療にはいりますのでご安心くださいね!
多飲というお話から次回は慢性腎臓病の基本的なお話や最近アップデートされてガイドラインに導入されたFGF-23という検査項目についても解説してみたいと思います。
うちの子、冬になってお水の量が減るはずなのにさくさん水を飲んでいるかもと思った方は、ぜひ茨木のゆうり動物病院でその子に合ったおすすめの検査をしましょう。
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ゆうり動物病院
院長 樋口裕梨
〒
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大阪府茨木市庄2-26-14-102
電話番号 :
072-648-7823
茨木市で腎泌尿器認定医によるケア
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