【猫と犬の慢性腎臓病】ガイドラインに追加されたFGF-23とは?
2024/01/07
慢性腎臓病についての基本的な情報をお届けいたします。
今回のお話はIRISという国際的な犬猫の腎臓病の研究グループが発表しているガイドラインをもとにお話しさせていただきます。
IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)←英語ですが、興味があれば覗いてみてください。
また日本語訳にしてくれているサイトもありますのでそちらも見てみてください。(ポケットガイド)
慢性腎臓病は、腎臓にダメージが生じ、その機能が低下している状態を指し、3回の検査を通じて腎機能の数値が悪化している場合に診断されます。また、初回の検査で著しく異常が見られると、慢性腎臓病(CKD)と判定されます。診断には血液や尿検査だけでなく、血圧測定や腹部超音波検査も組み合わせて行います。
慢性腎臓病は不可逆的で、ゆっくりとですが確実に進行していきます。したがって、進行を抑えるために飲水量の確保、リンの制限、薬の服用、点滴、貧血改善の注射、腸内細菌調整のサプリメントなどが重要です。ただし、これらの治療法は症状や検査結果に基づいて選択されるため、個別の治療が必要です。
最新のガイドラインでは、猫の場合には早すぎるリン制限がデメリットとされ、FGF-23検査がリン制限の開始時期の指標として追加されました。当院でも猫のCKD患者様には必要に応じてこの検査を行い、治療の判断材料として活用しています。
リン制限を早すぎる時期に行うと筋肉量が減少し、生活の質が低下する可能性があります。一方で適切な時期でのリン制限は寿命を延ばす重要な要素となります。
FGF-23はCKD患者のリン制限の開始時期を見極めるための指標であるため、CKDの診断には使用できません。FGF‐23のように急に新しい検査がガイドラインに追加されることもありますので、かかりつけの先生が聞いたことない新しいことを話しはじめても不審に思わないでくださいね。笑
慢性腎臓病でお困りの犬や猫の飼い主様は、茨木市にあるゆうり動物病院へぜひご来院ください。当院では日本獣医腎泌尿器学会認定医が診療にあたります。
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ゆうり動物病院
院長 樋口裕梨
〒
567-0806
大阪府茨木市庄2-26-14-102
電話番号 :
072-648-7823
茨木市で腎泌尿器認定医によるケア
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